こんにちは。事務局(23期生)の曽我です。今回は、NPO法人に関する話題の中でも、「エンドゲーム」という考え方についてご紹介したいと思います。
私自身、NPO法人の支援に関心があり、勉強しているところですが、先日「NPO法人におけるエンドゲーム」という言葉を聞きました。まるで映画のタイトルのように壮大な印象を受け、意味が気になって調べてみました。
「エンドゲーム」とは、NPOが最終的に目指す“理想の終着点”を示す概念です。
つまり、「自分たちの存在が不要になるほど社会課題が解決された状態」を目標とする考え方です。Stanford Social Innovation Review Japan(SSIR-J)に日本語訳の論文が掲載されており、詳しく解説されています(https://ssir-j.org/endgame/)。また、令和5年度外務省NGO研究会の報告書では、6つのエンドゲームのタイプが次のように紹介されています。
①組織・事業規模の最大化(可能な限り活動をスケールすることでミッションを達成)
②レプリケーション(複製・再現:自分たちのプロダクトやモデルの有効性を実証したうえで、それを実行してくれる他の組織を見つけることで、ミッションを達成)
③行政施策への導入(介入策の有効性を実証し、行政に同様の介入を働きかけることでミッションを達成)
④オープンソース化(研究開発に投資し、新しいアイデアや介入策を生み出したり、改善・改良を加えたりする。アイデアや介入策の普及に努め、他組織にリソースを提供していくことでミッションを達成)
⑤商業化(自団体の非営利組織で実効性を実証したものを、市場の原理で普及させることでミッションを実現)
⑥実現可能ゴールの設定(期限付きや特定に実現可能なゴールを設定し、ゴール達成後に解散する)
私なりに解釈すると、⑥のゴールの実現、つまり「社会課題が解決され、組織が解散できる状態」が究極のゴールです。とはいえ、現実にはそこに至るのは簡単ではありません。そのため、
・自団体でスケールして課題を解決する(①)
・他者の力を借りて解決を目指す(②〜⑤)
という選択肢に分かれると考えられます。
他者に頼る場合でも、
②他のNPOや団体に委ねる
③行政に働きかける
④誰でも使える形で知見を公開する
⑤民間企業に委ねる
というように多様なアプローチがあるのです。
この考え方は非常に興味深いと感じました。民間企業の場合、利益の最大化と事業の継続が前提ですが、NPO法人の場合は「社会課題の解決」が目的です。そのため、自団体の活動に固執せず、社会にとって最善であれば、行政や企業に役割を引き継ぎ、自ら撤退・解散するという選択肢もありうるのです。
ここで、具体的な事例をご紹介します。
【事例1】認定NPO法人フローレンスの「おうち保育園」
2010年、フローレンスは待機児童問題の解決に向け、「おうち保育園」という小規模保育をスタートさせました。当時行政は一定規模以上がないと保育所を認めず、保育所に適した場所が少なく、保育所が不足しました。そこでフローレンスは小規模保育で実績を積み上げて行政に働きかけ、マンションの1室でも実施可能な保育所の制度化を実現しました。これは、「③行政施策への導入」の好例です。
さらに制度ができても実践ノウハウが不足していたため、「②レプリケーション」に取り組み、全国小規模保育協議会を立ち上げてノウハウを共有しました。
結果として、待機児童問題は今では地域差はありますが、「⑥実現可能ゴールの設定」、つまり問題解消への道も見えてきました。
【事例2】認定NPO法人フローレンスの訪問型病児保育
2005年にフローレンスは病気の子どもを家庭で保育する訪問型サービスを開始しました。これは保護者の「子どもが熱を出すと仕事を休まざるを得ない」という当時の悩みに応える画期的な取組でした。
ただ自団体だけの取り組みではインパクトが小さいので、「②レプリケーション」や「④オープンソース化」も試みましたが、なかなか広がらず、「①組織・事業規模の最大化」、つまり自団体での展開に注力した時期もありました。
最終的にはベビーシッター会社が利益が出るとみて参入し、「⑤商業化」によって普及が進み、今では広く知られるサービスとなっています。
NPO法人にとっての「エンドゲーム」という考え方、いかがだったでしょうか?この視点を持つNPO法人が増えることで、より多くの社会課題が持続的に解決されるのではないかと感じています。私も今後、NPO法人を支援する機会があれば、エンドゲームを意識した支援を心がけていきたいと思います。
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