こんにちは、23期の種本です。
他の皆さんも触れられていますが、今年もあと半月弱、長いようで短い1年でした。昨年(2024年)は事務局メンバーにも入れていただき、稼プロ!で一定の役割を果たせましたが、今年は本業で2つのビジネスラインを任され、診断士としての活動そのものが殆んど行えずその面では忸怩たる思いの1年でした。
以上の通り、私はマルチタスクに明け暮れた1年でしたが、現代のビジネスパーソンでマルチタスクの環境にいない人はいないと思います。診断士は正にマルチタスクの権化とも言えます。そこで、マルチタスクとは何か、人間の利益にかなっているのかどうかについて改めて考えてみました。
マルチタスクを日本語で表現すると「同時並行作業」となります。調べてみると、やはり心理学・脳科学の分野で「効果がある場面」と「明確な弊害」があると整理されてい流ようで、多くの場合「同時にやっているつもり」なだけで、実際は注意を高速で切り替えている状態なのだそうです。
つまり、人間の脳は高度な認知作業を2つ同時に処理する能力を持っておらず、多くの場合は「タスクA → タスクB → タスクA → タスクB」と注意を頻繁に切り替えているだけなのだそうです。これをタスクスイッチングという行為と呼ばれますが、この切り替え自体にコストが発生していると考えられています。
マルチタスクで効果がでる場合は、例えば、歩きながら音楽を聴く、洗濯しながらラジオを聞く、慣れた運転+簡単な会話などの自動化された単純な作業を行う場合や待ち時間に何か他のことを行う場合などの、脳の領域同士で干渉が少ない活動に限られるようです。
一方で、戦略的思考や文書作成、数値分析や判断をともなう思考を行う場合は、思考の切り替えのたびに認知的な再起動が起こり、元のタスクに戻るまでに時間がかかるため、生産性が著しく低下するという研究結果が出ているそうです。「忙しいのに仕事が進まない」という感じたことはありませんか?ミス・仕事の品質、判断精度が下がったり、見落とし・誤解が増えるようです。メールを書きながら会議や、数字を扱いながらチャット対応など、心当たりありませんか?
こうしたことが積み重なると、脳が常に「次は何だ?」という警戒状態になり、自律神経が乱れやすくなることで、ストレスや疲労がたまりやすくなって行きます。研究上、真にマルチタスクが得意な人はほぼ存在しないという結果も出ており、「自分はマルチタスクが得意」と感じる人ほど注意散漫でミスが多いという傾向が報告されています。つまり、そう言った人は「自己評価と実力が乖離しやすい能力の持ち主」とまで言われています。
だからと言って、マルチタスクでは現代社会を生き延びることはできないと思います。研究者が示唆するところでは、特に戦略的思考や文書作成、数値分析や判断をともなう思考を要する人は、以下を実行すると良いようです。
① 30~90分単位で1つに集中できるよう時間をブロックし、思考の切り替えは意図的に行う
② 重いタスクや軽いタスクを分離して思考し、同時に処理しようとせず、意図的に脳の別領域を使っていることを強く意識する
③ 時間待ち・処理待ちが発生する時間を貪欲に見つけて別作業の並行
年末年始も我々には様々なタスクは押し寄せてきますが、上記の点を心がけて少しでも脳に優しい生活を送りたいと思います。